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2020年5月
- 2020-05-18
- 2020-05-18
花盛りの風牌に〜青春編②
有線で、当時流行していたスピッツの曲が流れていたが、その歌詞は少しも頭に入ってこなかった。俺さ、男も女もどっちもイケるんだよな、と目の前のゾーイが雀卓の上に万札を5枚、並べた。 「どーよ。お前、これでひと勝負しねぇか?」「どういう意味?」「お前が勝ったら、この5万はお前のもの。俺が勝ったら、お前は俺の言うことを聞く」「言うことって?」「まぁ、具体的に言うと、お前は俺とすぐそこのホテルに行って、一緒 […]
- 2020-05-15
- 2020-05-15
花盛りの風牌に〜青春編①
名古屋の、美術系予備校に通い始めたのは高校3年の春からだった。と言っても、そもそも美術系への進学を考えたきっかけが、「油絵とか描いていれば女の子にモテるのではないか」というものなのだから、その予備校での日々も、想像通りのものである。 Pという雀荘が予備校のすぐ近くにあり、夏頃には、僕はその雀荘に入り浸るようになった。初めて、そのPという雀荘のドアを開いたのは、五月の中頃だっただろうか。たまたま、パ […]